デザイナー林柳江が東京新聞で連載中のコラム 「インテリアわたし流」 をご紹介しています。
壁紙のちから
ここ十年ほど、ナチュラル&シンプルなインテリアトレンドが主流を占め、ホワイトやベージュ系のビニール壁紙で明るく仕上げられた部屋が大半になっている。家具やカーテンなどが合わせやすいが、他所の家と代わり映えのしない無難な部屋になりがちだ。
内装材のなかでも種類と数を誇る壁紙であれば、もっと色や柄に冒険してみてはいかがだろうか。手軽に模様替えができるのが壁紙の一番の長所だから、ファッションを選ぶような気分で選んでみたい。
海外の見本帳は壁紙とマッチするファブリックが一つにまとめられていて、眺めるだけでも参考になるインテリアコーディネートのお手本だ。

一面だけでも部屋の雰囲気がガラリと変わる
息をのむほど精緻で華麗な、まさに美術品級のプリントや、3Dのように立体的に浮き上がって見える不思議な感覚のもの、古典的な草花柄も大胆な大きさで用いられればダイナミックなアートのように室内を彩る。輸入の紙壁紙の魅力は版木のインクが厚く、触れるとその文様が手に伝わってくるところ。こっくりとした奥行きのある深い色合いも素敵だ。
リビングの壁全面では勇気が要るが、プライベートスペースであるベッドルームの、例えばベッドヘッドの壁一面だけになら失敗も小さい。
思い切って壁紙の冒険を小さなスペースから始めてみてはいかが?
東京新聞 生活面 2月18日 デザイナー 林柳江




